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◆ボールインプレイの規定トップページ > ボールインプレイの規定『ボールインプレイ』とは、野球の試合でプレイが進行中の時間を指す。ボールインプレイでは、全てのプレイが有効である。公認野球規則5章に、このページの内容は基づいている。野球の試合時間は、ボールインプレイとボールデッドの2つに明確に区分されている。この区分は野球特有のものであり、野球盤には無い概念である。球審が「プレイ」を宣告すればボールインプレイとなり、審判員が「タイム」を宣告するか、もしくはルールにより宣告がなくてもタイム宣告と同じ状態となるまでインプレイが継続される。
ボールインプレイであれば、何時でも進塁を走者は試みて構わない。その一方、塁を離れている間に走者の身体に野手が触球(野球用語:"タッグ"=tag(英) しばしば"タッチ"といわれることがある→ソフトボールでは公式に"タッチ"の表現が用いられる)するとその走者はアウトになる(幾つか例外は有る)。また、走者の走塁速度と野手の送球速度を比較すると、遥かに野手の送球速度の方が速い。従って、内野手(ここでは投手と捕手を含める)がボールを所持している時に進塁を試み塁を離れると、容易に触球されてアウトになる可能性が高く危険である。 このように、試合時間がボールインプレイであるときは、「進塁と触球の駆引き」が行われる。この駆引きはゲームに緊張感を与え、野球の醍醐味の一つと考えられている。また、この駆引きはプレイに自由度を与え、ゲーム進行の多様性を豊富にしている。走者には積極的な進塁姿勢が求められている[2]。それと同時に、走者には触球される危険性を素早く適切に評価する為の判断力が求められている。 反則を犯していない走者がアウトになるのは、野手に触球されたときである。したがって攻撃側は、内野手がボールを所持できていない時間を多く確保すれば、走者がアウトになる危険性を低くすることができ、得点につながる。もっともわかりやすい方法の1つは、打者が投球を遠くに打ち返すことである。打球が内野を離れ、遠方に離れている時間が長ければ長いほど、走者はその時間を利して進塁を試みることができる。打者による打撃以外にも、暴投や捕逸、悪送球、野手選択などが起こり、走者や内野手の手からボールが遠くに離れることがある。この時間を利して走者は進塁を試みて構わない。守備側は、打者が走者になることを防ぎ、また走者となった場合は、走者の進塁を最小限に止めるように努めることが求められる。 審判員の第一判定 野球では、審判員の第一判定が最終的なものとして決定され、たとえ誤審でも決して判定は覆らない(公認野球規則9.02(a))。何故なら、審判員の第一判定直後もボールインプレイの場合が多く、その判定に応じて判定直後のプレイが連鎖的に変化するからである。この事は、野球の大きな特徴と考えられる。 ボールインプレイの例 無死・走者一塁の場面でセンター前に飛球を打者は放った。そして、地面スレスレの位置でその飛球を中堅手は処理した。際どい打球だが、実際はワンバウンドであった。しかし、正規の捕球との誤った判断を以て、打者アウトを審判員は宣告した。その判定に応じて、一塁走者はリタッチを果たした。 さて、もしここで誤審が明らかになり判定が覆ったとすると、両チームが納得できるような形で試合再開する方法は無い。仮に、無死・走者二塁一塁から再開と定める。すると、「誤審が無ければ、8→4→3併殺打が取れたはず。なので、二死・走者無しから再開すべき。」と守備側は反論するであろう。それに対し、「誤審が無ければ、三塁まで一塁走者は進塁し、尚且つ三塁手への送球を利して二塁まで打者は進塁できたはず。なので無死・走者三塁二塁から再開すべき。」と攻撃側は反論するであろう。 ボールインプレイの実例 中日ドラゴンズと西武ライオンズが対戦した2004年の日本シリーズ第1戦5回裏(中日の攻撃)、一死走者一塁の場面。打者の谷繁元信は捕手の前にゴロを打った。捕手の野田浩輔は谷繁にタッグしようとするも届かなかったため二塁へ送球、二塁塁審杉永政信はフォースアウトを宣告、ついで一塁へ送球されダブルプレイ成立、チェンジ、かと思われた。 しかし、球審の橘高淳は、野田が谷繁にタッグしてタッグアウトになったと宣告していた。そのため中日監督の落合博満は谷繁が先にタッグアウトになったならば二塁はフォースプレイでなく、一塁走者は二塁でアウトになっていないと抗議した。審判団がこの抗議を認めると、次に西武監督の伊東勤が、二塁塁審がアウトを宣告したのだから二塁はアウトであると抗議した。試合は49分間中断したが、結局二死二塁で再開された。この例は実際に起きた出来事ながら先に挙げた架空の例よりも複雑である。考えうる見解としては次のようなものがあるだろう。 球審の判定は事実誤認であるから覆され、二塁フォースアウトの後一塁フォースアウトとすべき。これは上述の9.02(a)に反するため、適用できない。球審の判定も二塁塁審の判定も覆すことはできないので、打者走者タッグアウトの後二塁フォースアウトとすべき。9.02(a)には反しないが、フォースの状態でない走者をフォースアウトとすることになり無理が生じる。実際、これではなく次に挙げる考え方が適用されている。球審の判定は覆すことができない。二塁塁審の判定は規則の適用を誤って下されたものであるため、監督の抗議により覆る。従って打者タッグアウト、走者二塁とすべき。 実際に適用されたのはこれだと考えられる。すなわち、規則9.02(a)は「審判員の判断に基づく裁定は最終のもの」としているが、次の9.02(b)で「審判員の裁定が規則の適用を誤って下された疑いがあるときには、監督だけが」訂正を要請できるとしている。事実に対する判定は覆らないが、規則適用のミスは覆りうるのである。従って、球審の判定はそのままとなり、二塁塁審の判定はフォースの状態でない走者に対して誤ってフォースアウトを宣告したものであるから、監督の抗議により訂正される。なおこの場合であっても監督がアピールを怠れば、審判員自身が誤りに気づいたとしても訂正することはできない(9.02(b)。
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